2006年1月8日 猿渡瞳ちゃん追悼コンサートいのちをみつめて
@住吉神社能楽殿(福岡)

・演奏曲目

「さよなら」「ありがとう」〜たった一つの場所〜
絶望と希望
もっと!
525ページ
Dear
12個の季節〜4度目の春〜
大切な約束
「…ありがとう...」

・レポートその2(ぽよ〜んさん)

今回は本当に行って本当に良かったです。
コンサートを運営してる関係者の皆さん、
賛同された出演者の方々、瞳さんの生き方にも感動させられました。
たっぷり三時間かなり冷え込んだ中での観覧、
にも拘らず素晴らしいコンサートになりました。
ただ感謝するばかりです。

前日の20時半に出発、岸和田・枚方を経由して、
はちろくさんと待ち合わせの住吉駅へ、
到着は待ち合わせの3時少し前。
天理までは経費の節約もあり下道でゆっくりと、
でも雪の心配も少し有ったので、早め々の移動に成りました。
住吉駅まで300kあまり、
そこから博多までは更に600kあまり、かなりハードな旅でした。

途中で朝食を取ったりしてた為、
11時頃能楽殿に到着。
関係者はかなり居るものの未だ受付の準備もしてなくて、どうしたものかと。
昼食に行こうかと思いもしましたが、リハが始まったみたいで待つ事に。
もちろん外からですので見えはしませんが、
木造なので音ははっきり聴こえます。
そうこうしてる内にCHiYOちゃんの目撃情報が、
どうやらお父さんとラジオの公開放送に行ったみたい。
幸さんやはなさんは、そちらを見てからここに向かうそうです。

12時少し前あいちゃんとHOUHEI氏が登場!
あいちゃんは大きなマスクをして相変わらず無愛想。
何時もは声を掛ければ「あ、どうも」とか言ってくれるんですけど・・・
最近ちょっと体調悪そう、まあ寒いのはかなり苦手だそうですから〜
こんな事でスキーツアー大丈夫かな?
(もっとも私は色々考えて、不参加の予定ですが)

しばらくしてあいちゃんのリハの始まり、
何やらギターの音が聴こえるのでながじぃかと思ったら、
ゴダイゴの浅野孝己さん(素晴らしかったです)
全曲ほぼフルコーラスでした。
何しろ浅野さんとのコラボは初めてでしょうからね(^^)

1時過ぎにリハも終わり、表では豚汁とコーンスープの準備が、
かなり寒い上にお昼抜きなので待ち遠しい。
処でKOUHEIさんが2度も豚汁を取りに来てましたが・・・
多分あいちゃんのでしょう(笑)

3時少し過ぎにやっと入場、集まりはかなり悪く未だ数十人。
当日券も少し残ってて買い求める人もチラホラ。
能楽堂という事で舞台はかなり高い位置で、
客席は「く」の字型。私達は正面の真ん中辺りを陣取る。
「く」の字型のもう一方は舞台を横から見る形、
その奥に一段と高い(舞台と同じ)位置に廊下(花道)が有ります。
暖房も殆どなく古い木造の建物なのでかなり寒い、
フル装備にマフラーもしてるがそれでもダメ、外より寒いくらい(笑)
客席の後ろには小さなファンヒーターが2台、暖房はこれだけです。
客席に段が付いてる為後ろの方は少し高くなってる、
そのせいで最前列が一番寒い(爆)まあ仕方ないか・・・

待ち時間が1時間近くあるので、
入り口で売られてた猿渡瞳さんの著書『瞳スーパーダイヤモンド』を購入。
この本は多分売られるから最初から買うつもりでした(是非手に入れたかったので)
詳しくは書きませんが、読んでて涙が止まりませんでした。
彼女に同情とかではなく、ガンに侵されてて辛いにもかかわらず、
他人を思いやる心、その思いを少しでも多くの人に伝えたい!
という気持ちに心を動かされました。

先ず最初は、福岡在住の声楽家、安武千恵さんによるアメージンググレースの独唱。
続いてはCHiYOちゃんの朗読、
瞳さんが亡くなる2ヶ月前、弁論大会の当日の朝完成した「命を見つめて」
13歳の死を目前に控えた女の子の文章とは思えない出来でした。
CHiYOちゃん朗読も立派でした。
続いてCHiYOちゃんのステージ、
伴奏は「ゴダイゴ」の浅野孝巳さんとイケメン「コージ」さん。
『Forever』
『飛行機雲』
『アリス道』
『卒業〜坂道〜』

続いて浅野孝巳さんと彼がプロデュースするコージさんとヒデさんのユニット
(三人ともギターの弾き語り)
最後の曲の『ガンダーラ』私と同じ古い方には馴染みの名曲ですね。
この曲が聴けるとは思いもしませんでした。
浅野さんがゴダイゴの一員とは知りませんでした(汗)
小休止の後沖縄伝統楽器を演奏するhanauta+安武千恵さんとのコラボ、
沖縄の曲を中心に演奏した後、
瞳ちゃんが大好きで弾き語りを練習してた『ハナミズキ』を
千恵さんはキーボード(KOUHEIさんも同じ物を使用)
他の方は其々の楽器で弾き語り。
この時点でかなりヤバイです(汗)涙腺がかなり弱くなってます。

右手にキーボード(KOUHEI)左手にアゴギ(浅野孝巳)の伴奏。
あいちゃん白いシャツに黒のジャケット、
スカートは茶色でフリルが付いてて可愛らしい(^^)
ただ同じく茶色のストッキング(タイツ?)に白足袋、チョット変な感じでした。
因みに板の間という事もありこの日出演者全員白足袋でした。
能楽殿だから当たり前かな?

『さよならありがとう』
『絶望と希望』の後、短い御挨拶。
この日唯一の盛り上がる歌ということで
『もっと』
『525ページ』
新曲紹介の後
『Dear』
『12個の季節』
『大切な約束』
最後に『・・・ありがとう...』

この後の瞳さんに対する思いを語った時は感動させられました。
続いて出演者全員と御遺族(お母さんと妹弟)で
『翼をください』

あいちゃんが歌ってる時CHiYOちゃんとお父さんは、
客席左手(楽屋に近い方)その奥には他の出演者の方(山Pらしき人も)
瞳さんそっくりのお母さんは左手客席の真ん中辺り。
みなさんあいちゃんの歌に聴き入ってました。
私もそうですが実は浅野さんのギターの巧さに聞き惚れてました(汗)
あいちゃんそっちのけで浅野さんの指先ばかり見てた様な気がします(笑)

瞳ちゃんのお母さんの明るさにもビックリです。
「私は幸せです!」ですって言い切ってました。
実は瞳ちゃんも著書のなかで同じ事が書かれてます。
全身にがんが転移したにもかかわらず、
骨肉腫になったお陰でたくさんの人たちの痛みを知り、
世界中の人を助けてあげられると、穏やかな表情で感謝の言葉を紡いだ。

この日の出演者も、運営した方々も、会場に来られた方も、優しい人ばかりでした。
しかもただ優しいばかりでなく、皆さん強さも持ち合わせてました。
人として優しくなれる為の

なお苗字が同じなので、もしやと思い確認したところ千恵さんは、
運営された安武さんの奥様だそうです。
去年ガンを克服したばかりとは思えないほどの、元気で優しい方です。
安武さんはあいちゃんを中学生の頃から知ってたそうで、
色々御縁が有ったのでしょうね(^^)
本当にこんなコンサートは初めてでした。
何か参加してるだけでほのぼのとして来る様な、
もっと暗めをイメージしてたのですが、嬉しい期待はずれです。
なお帰りに又本を3冊買ってしまいました(笑)
是非皆さんに読んで頂きたいです!

コンサートはたっぷり3時間、終わったのは19時でした。
それから山ちゃんに移動してオフ会、
2時間ほど費やしてその後も路上で立ち話、結局22時頃博多を出発。
はちろくさんの運転で帰りぐっすり寝てましたが、
2時過ぎに目覚めたら広島辺りのPAでストップしてました。
はちろくさんは前夜も寝てないから無理も無いです。
2時間あまり運転してスピードが出過ぎてた為、
皆さんを起こしてしまいました(笑)
食事をしたり何やかやで、結局自宅に帰ったのがお昼頃・・・かなり疲れました。
が、大満足の一日(?)でした。
(2006.01.17掲載)

・レポートその1(良樹さん)

猿渡瞳ちゃん…彼女は2004年9月に骨肉腫という骨のがんで、
わずか13歳の生涯を閉じました。
しかし、瞳ちゃんは闘病中でもとても前向きに、強く生きていました。
瞳ちゃんは亡くなる2ヶ月前に作文「命を見つめて」を書きました。
その作文の冒頭にはこう書かれています。

「みなさん、みなさんは本当の幸せって何だと思いますか。
 実は、幸せが私たちの一番身近にある事を
 病気になったおかげで知ることができました。
 それは、地位でも、名誉でも、お金でもなく
 「今、生きている」という事なんです。」

この言葉にどれだけ感銘を受けただろうか。
現実の世の中では、地位や名誉、
お金を求める人が多いですし、正直僕もそうかもしれない。
しかし「今、生きている」こと、
これ程ありがたいことで、幸せなことは他にあるのだろうか。
瞳ちゃんは13歳でありながら、
我々が忘れてしまいそうでいることを教えてくれました。
今回参加するあいちゃんライブは猿渡瞳ちゃんの追悼コンサートです。

前日の夜中から車で出発して、福岡に着いたのは11:00過ぎ。
会場は住吉神社能楽殿です。
開場は15:00からですが、その間に協力団体の皆様が
コーンスープと豚汁を参加者に無料で用意してくださいました。
非常に体が温まりましたし、とても美味い!感謝です。

そして15:00に開場して中へ。
神社なので、畳敷きに座布団の上に座ります。
今回はあいちゃん以外にも、CHiYOさん、hanauta+ちえさん、
ゴダイゴの浅野孝己も出演され、コンサートは全部で3時間弱となります。

そして1時間後の16:00に開演しました。
まず、ちえさんが『Amazing Grace』を歌ってコンサートが始まりました。

次にCHiYOさんが猿渡瞳ちゃんの作文「命を見つめて」を朗読しました。
ここで、かなりジーンときてしまいました。
そしてCHiYOさんは朗読が終わった後、4曲歌いました。

2組目はゴダイゴの浅野孝己がプロデュースしているユニット
「ガムツー(正式表記不明)」によるコンサート。
最後にはゴダイゴのヒット曲『ガンダーラ』も熱唱しました。

3組目はhanauta+ちえさんによるコンサート。
最後には瞳ちゃんが大好きな曲だった一青窈さんの『ハナミズキ』を歌いました。

この間に小休憩があって18:05に、あいちゃんが登場しました。
衣装は上は黒のコートに、コート中は白、下は赤紫のロングスカートです。

今回は浅野孝己さんによるギター、
そしてKOUHEIさんによるキーボードによる形式でした。

『「さよなら」「ありがとう」〜たった一つの場所〜』
『絶望と希望』
で始まりました。

「こんにちは〜、川嶋あいです」
「そして、明けましておめでとうございます」
「今日はとても格式高いステージに立つことができて、
 地元福岡で歌うことが出来て、とても嬉しいです」
「今日は13歳で命を閉じた猿渡瞳ちゃんの追悼コンサートです」
「子を失った親の悲しみは、どんな悲しみより深いと思います」
「今日は一人の少女の命を“記憶”
 という永遠の命に残せるようにしたいと思います」
「今日はしっとり系の曲が中心ですが、次は数少ないアップテンポな曲を歌います」
「寒いでしょうから、皆さんも手拍子して温まってください」

『もっと!』
『525ページ』
あいちゃんの歌声だけでなく、
今日は浅野さんの迫力のあるギター演奏も印象的でした。

「さぁ、それでは次に歌う曲は新曲です、2月1日にリリースします」
「私にとって周りに居る人達は、自分を生かし続ける人達で、
 スタッフもファンも、他人でもそうですが」
「大切な人は皆さんも居ると思います」
「皆さんにとって大切な人を思い浮かべて聴いてください」

『Dear』
『12個の季節〜4度目の春〜』

「今日は猿渡瞳ちゃんのためを思って、私も一目、瞳ちゃんに会いたかったです」
「たった13歳でしか命を持てない…」
「私はなぜ神様は残酷なことをするんだろうと思いました」
「しかし瞳ちゃんは、とても力強く生きていました」
「その瞳ちゃんのパワーに圧巻でした」
「『瞳スーパーデラックス』という本があります」
「瞳ちゃんの気持ちが精一杯入っています」
「皆さんも、是非読んで下さい」
「瞳ちゃんは、同じ病室に居た仲間と共に生きていました」
「もし、この世界でたった一人んあってしまえば、
 寂しくて自分を受け入れることはできないと思います」
「でも、必ず受け止めてもらえる人が居ます」
「どんなに情けなくても、丸ごと受け止めてくれる人が居ると、救われた気がします」
「私も4年前に路上ライブを始めた時は、心が壊れそうになりました」
「その時に、声をかけられたのが、今のスタッフさんです」
「私はその時、とても救われました」
「瞳ちゃんもそんな気持ちだったと思います」
「そして力強く生きていくことが、大切な約束だったと思います」
「私にも大切な人と約束しました」
「約束は叶えられましたが、大切な人と一緒に叶うことはできませんでした」
「しかし、心には強く刻まれています」
言葉の一つ一つがとても重たく感じ、深い感銘を受けます…

そして『大切な約束』を歌いました。

「それでは最後にこの曲を贈ります」
「私は大切な人を失いました、それは母です」
「私は瞳ちゃんとお母さんの関係は素晴らしいと思いました」
「私は母をすごく愛し、母は私をとても暖かく愛してくれました」
「いつも、一番に私の歌が大好きと言ってくれました」
「しかし、私が歌手になった頃は、母はもうこの世には居ませんでした」
「大切な人に、大切な一言を伝えられませんでした」
「「ありがとう」…たった一言が、
 こんなに言えない難しい言葉だったとは思いもしませんでした」
「瞳ちゃんが沢山の人に愛されて、永遠に安らかに眠れますように…」
「そしてこんなに力強く生きてきた瞳ちゃんに…ありがとう…」

『「…ありがとう…」』を歌いました。
会場が涙しているのが分かりました。
僕はメモをとっていたので、泣けませんでした。
今、これを書いていて目頭が熱くなっています。

「今日は本当にありがとうございました」
「これから沢山の人々に幸せになれるように
 『翼をください』を歌いたいと思います」
「それでは今日出演してくれた方々、どうぞ」
そして出演者全員が集まりました。
「今日は猿渡瞳ちゃんのお母さんにもお越しいただいてます」
「それでは、お母さんどうぞ」

そして猿渡瞳ちゃんのお母様とご兄弟を招き入れました。
そして瞳ちゃんのお母様が次のようなことを話されました。

「今月19日で15歳になる瞳ちゃん、聞こえてますか?」
「私と瞳ちゃんは姿が見えなくなっても、私達家族は一緒だよ」
「こんな素晴らしいステージで、こんなに沢山の人達に囲まれているよ」
「瞳、聞こえてる?」

そして出演者全員で『翼をください』を歌いました。

そして、瞳ちゃんのお母様が、再び話をされました。
「ただただ感謝です」
「みなさんの愛情を注いで下さって、ありがとうございます」
「これからも、私達家族は世界一の家族にしていくので、みなさんも見ててください」

瞳ちゃんのお母様は話されている姿を見て、
とても強くて、明るくて元気いっぱいだったのが、非常に印象に残っています。
本当に僕らの方が感謝したいです。
瞳ちゃんも、お母様のように、とても元気な子だったんだろうなぁ…
本当に世界一の家族かもしれませんし、
これからもずっと幸せになってくれることを祈ります。

とても素晴らしいコンサートでした。
天国にいる瞳ちゃんも、きっと喜んでいることでしょう…
この様子が少しでも伝われば幸いです。
会場を出る時に『瞳スーパーデラックス』も買いました。
この後は福岡…ということで、
参加された皆さんと「やまちゃん」で行って、とんこつラーメンを食べました。
(2006.01.17掲載)